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資格の合格率はどう読む?4試験の受験者数・合格者数と合格基準で見る難易度【2026年9月】

宅建・行政書士・日商簿記2級・ITパスポートの公式統計で、合格率の分母(申込者か受験者か)、合格ラインが点数で決まっているか、回ごとの振れ幅の3点を確かめる読み方をまとめました。

2026年9月26日 更新公式ページの確認日 2026年9月26日試験手帖 編集部

紙の上に置かれた電卓とペン
写真: Aaron Lefler(Unsplash)

編集部の結論: 合格率で難易度を比べるときは、「分母が受験者数か」「合格ラインが点数で決まっているか」「過去5回以上でどれだけ振れるか」の3点を確かめてから比べてください。 1回分の合格率だけでは「易しい・難しい」は決められません。宅建の令和7年度は、受験者数で割った公式の合格率が18.7%、申込者数で割ると15.0%です。 合格ラインが決まっている日商簿記2級(統一試験)は、同じ70%以上の基準で合格率が11.9%から28.8%まで動いています。数字は、受ける回と方式の値を、過去数回の幅で見てください。

机の上に広げられた書類
写真: Yosuke Ota(Unsplash) (Unsplash License(商用利用可・帰属表示は任意))

合格率は、何を何で割った数字か

この記事で扱う4試験は、どれも「合格者数 ÷ 実際に受けた人の数」を合格率として公表しています。宅建の10年分の表では、申込者数・受験者数・合格者数にa・b・cの記号が振られ、合格率の列は「c/b」と書かれています。

試験(年度・回) 申込者数 受験者数 合格者数 公式の合格率
宅建(令和7年度) 306,099名 245,462名 45,821名 18.7%
行政書士(令和7年度) 63,845人 50,163人 7,292人 14.54%
ITパスポート(令和7年度) 307,266人(応募者数) 271,352人 132,012人 48.6%
日商簿記2級 統一試験(第173回) 5,724名 4,821名(実受験者数) 728名 15.1%

申込んだ人のうち、当日に受けた人は8〜9割です。行政書士は受験率78.57%と公表しています。申込者数で割ると、どの試験も公式の合格率より低く出ます。

試験 受けた人の割合(受験者÷申込者) 申込者で割った合格率 公式の合格率
宅建 80.2% 15.0% 18.7%
行政書士 78.57%(公式の受験率) 11.4% 14.54%
ITパスポート 88.3% 43.0% 48.6%
日商簿記2級 統一試験 84.2% 12.7% 15.1%

行政書士の受験率以外は、公式の人数から編集部が計算した値です。IPAの発表は見出しに応募者数(307,266人)を置いているので、人数を引用するときは応募者と受験者を取り違えないでください。日商簿記の表は「受験者数(申込者数)」の列と「実受験者数」の列が並んでいて、合格率は実受験者数で割った値と一致します。

合格ラインが決まっている試験は、何を見ればよいか

合格率の振れ幅を見てください。点数で合格ラインが決まっている試験では、問題が難しい回ほど合格率が下がります。日商簿記2級は合格基準が「70%以上」、行政書士は令和7年度の合否判定基準で「試験全体の得点が180点以上」(300点満点。法令等122点以上・基礎知識24点以上も必要)です。

回(試験日) 申込者数 実受験者数 合格者数 合格率
第173回(2026年6月14日) 5,724名 4,821名 728名 15.1%
第172回(2026年2月22日) 7,115名 6,038名 911名 15.1%
第171回(2025年11月16日) 7,512名 6,332名 1,492名 23.6%
第170回(2025年6月8日) 6,560名 5,383名 1,193名 22.2%
第169回(2025年2月23日) 8,606名 7,118名 1,486名 20.9%
第168回(2024年11月17日) 9,116名 7,589名 2,187名 28.8%
第167回(2024年6月9日) 7,786名 6,310名 1,442名 22.9%
第166回(2024年2月25日) 10,814名 8,728名 1,356名 15.5%
第165回(2023年11月19日) 11,572名 9,511名 1,133名 11.9%
第164回(2023年6月11日) 10,618名 8,454名 1,788名 21.1%
第163回(2023年2月26日) 15,103名 12,033名 2,983名 24.8%

日商簿記2級の統一試験は、第165回が11.9%、ちょうど1年後の第168回が28.8%でした。合格基準は同じ70%以上なので、この差は回ごとの問題の難しさの差と見られます。直近の第172回・第173回は2回続けて15.1%で、11回の中では低い側です。

行政書士も、令和7年度の合格率14.54%に対し、前年度は12.90%でした。1回分の数字が低くても、それだけで「年々難しくなっている」とは読まないでください。

合格基準点が年度で動く試験は、どう読むか

宅建は、合格率より合格基準点の推移を見てください。公表されている10年分では、合格率が狭い幅に収まる一方で、合格基準点が動いています。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格基準点(一般受験者)
令和7年度 245,462 45,821 18.7% 50問中33点
令和6年度 241,436 44,992 18.6% 50問中37点
令和5年度 233,276 40,025 17.2% 50問中36点
令和4年度 226,048 38,525 17.0% 50問中36点
令和3年度(12月試験) 24,965 3,892 15.6% 50問中34点
令和3年度(10月試験) 209,749 37,579 17.9% 50問中34点
令和2年度(12月試験) 35,261 4,610 13.1% 50問中36点
令和2年度(10月試験) 168,989 29,728 17.6% 50問中38点
令和元年度 220,797 37,481 17.0% 50問中35点
平成30年度 213,993 33,360 15.6% 50問中37点
平成29年度 209,354 32,644 15.6% 50問中35点
平成28年度 198,463 30,589 15.4% 50問中35点

10月試験だけで見ると、合格率は15.4%〜18.7%、合格基準点は33点〜38点です。基準点が5点動いても合格率の幅は3.3ポイントに収まっているので、合格率が大きく変わらない形で基準点が決まっていると見られます。

この型の試験では、合格率は「その年の難しさ」を表しません。表しているのは「受験者のおよそ5〜6人に1人が受かる」という競争の厳しさです。勉強の目標は、合格率ではなく過去の基準点(ここでは最も高い38点)で置くのが実用的です。

手元の合格率を、自分でどう読み直すか

ニュースや講座のページで合格率を見たら、次の順に確かめてください。

見ている数字 まず確かめること 比べ方
人数が大きく書かれた発表 申込者(応募者)か受験者か 合格者数÷受験者数で出し直す
1回分の合格率 合格ラインが点数で決まっているか 決まっていれば過去5回以上の幅で比べる
基準点が年度で変わる試験 合格基準点の推移 合格率ではなく過去の基準点で目標を置く
受け方が複数ある試験 どの方式・区分の数字か 自分が受ける方式の数字だけで比べる

受け方の違いでは、日商簿記2級の2025年度のネット試験が32.9%(受験者141,072名・合格者46,351名)で、統一試験の第173回(15.1%)の約2倍でした。方式別の数字は独学と講座の判断基準にも並べています。

合格率だけで決めない方がよい人は、どんな人か

  • 受験者の中に条件の違う人が混ざる試験で、自分と同じ条件の合格率を知りたい人(宅建の登録講習修了者は45問で受け、合格基準点も「45問中28点」のように別に公表されています)
  • 直近1回の合格率だけで、受ける・受けないを決めようとしている人
  • 合格率が高い試験なら短い期間で受かる、と考えている人。必要な時間は勉強時間の目安と必要週数で確かめてください

出典

出典

よくある質問

合格率は何を何で割った数字ですか?

この記事で扱った4試験は、どれも合格者数を実際に受けた人の数(受験者数・実受験者数)で割っています。宅建の令和7年度は、合格者45,821名÷受験者245,462名で18.7%です。申込者306,099名で割ると15.0%になり、公式の数字より低く見えます。

合格率が低い試験ほど難しいと考えてよいですか?

1回分の数字だけでは言えません。合格ラインが70%以上と決まっている日商簿記2級の統一試験は、第163回から第173回までの11回で合格率が11.9%から28.8%まで動いています。過去5回以上の幅で比べてください。

宅建は毎年、合格率が同じくらいなのはなぜですか?

公表されている10年分では、10月試験の合格率が15.4%〜18.7%に収まる一方、一般受験者の合格基準点は50問中33点〜38点で動いています。合格率が大きく変わらない形で基準点が決まっていると見られます。目標は合格率ではなく、過去の基準点で置くのが実用的です。

この記事の更新

  • 2026年9月26日初版。4試験の公式統計で、合格率の分母・合格基準・振れ幅の読み方を作成

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